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月例研究会の報告
2006年2月14日(火)

日本型イノベーション・エコシステムとIPキャピタルの可能性
 講師:日本政策投資銀行 新産業創造部課長 木嶋 豊

ウエルインベストメントの新展開
 講師:ウエルインベストメント(株) 代表取締役社長 瀧口 匡

コーディネーター:          
早稲田大学大学院アジア太平洋研究科 助教授 東出 浩教

↑講師名(敬称略)をクリックすると、講演サマリーへジャンプします

 

 


日本政策投資銀行  木嶋氏

 

 


ウエルインベストメント 瀧口氏

 

日本型イノベーション・エコシステムとIPキャピタルの可能性
  日本政策投資銀行 木嶋氏

 イノベーション・エコシステムと知財開発ファンドについて、課題と解決策、知財開発ファンドに関する概要に関して講演していただいた。

 イノベーション・エコシステムとは、イノベーションを生み出すための政府・研究機関・企業・金融機関等、さまざまなセクター間の相互作用による生態系である。イノベーションを促進する上でのファンディングの課題は、以下の三点がある。

  1. リスクマネー供給量の少なさ:OECD加盟国の中でも最低レベル
  2. 研究成果の事業化に対する支援体制が断続的:政府支援と民間支援との間のギャップがあるので、補助金・日本版SBIR、技術ファンド、DBJ等の支援が必要
  3. 企業・大学等における事業化に至らない優れた研究成果に対する資金供給:事業化に至らなかったテーマの多くが社内に眠る。オープンイノベーションの必要性。

 解決策としては、以下の三点が提案された。

  1. 市場化を意識した研究テーマの絶え間ない見直し
  2. 公的機関の連携によるシームレスな技術事業化支援
  3. 新たな金融スキームの開発・普及
より具体的な解決策として、技術事業化シームレスプログラム、カーブアウト支援、IP(Intellectual Property)ファンドのイメージについて説明があった。その後、知財開発ファンドのイメージと事業内容に関する紹介があった。

日本政策投資銀行
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ウエルインベストメントの新展開
  ウエルインベストメント 瀧口氏

 新社長となった瀧口氏より新役員の紹介があり、ウエルインベストメントの概要と今後の展開について講演をしていただいた。

 ウエルインベストメントの強みは、まずは「投資案件発掘能力」である。習得できる情報量の多さである。大学ネットワークを活用した情報量の多さや、専門性の高い技術評価体制による高度な技術・企業評価を行う。早稲田大学というブランド価値も利用できるという面もある。次に、充実した「企業支援体制」があり、大学ネットワークによるマネジメント指導の支援がある。特徴のひとつとして、技術シーズの事業化には限定していない。

 投資は、1. 投資案件の発掘、2. 投資案件の評価、3. 企業成長の経営支援のプロセスを経る。

  1. 投資案件の発掘では、他大学との連携や学内のネットワークを活用したものとなっている。
  2. 投資案件の評価では、技術集積度・成長性・経営者の資質・安全性・投資リターンという5つの投資判断基準で評価している。大学の情報ネットワークも活用して投資案件を評価する。
  3. 企業成長の経営支援では、早稲田大学アジア太平洋研究科MBAとMOT課程との連携および人材紹介を通じた支援体制を活用している。また、起業家創出にむけたエンジェル支援を行っている。産学官連携としては早稲田大学産学官研究推進センターを中心とした体制を構築している。

 ウエルインベストメントの今後として、まず、我が国IPO市場の規模と成長がベンチャーキャピタルにとっては追い風になっている点があげられる。次に、大学の「場」を活用した技術系企業を中心とした投資を促進する。最後に、目に見えないが将来の企業価値を生み出す資産(価値)にフォーカスした投資と企業育成をしていく。ベンチャー企業の期待価値は時間で減少するため、期待価値を高める努力をする必要がある。

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