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2004年5月18日(火)

【話題の技術ベンチャー公開】

講師:(株)メディビック 代表取締役社長 橋本 康弘
(株)マクロミル 代表取締役社長CEO 杉本 哲哉

コーディネーター:               
(株)大和総研 新規産業情報部 主任研究員 岡村 公司

↑講師名をクリックすると、講演サマリーへジャンプします。

 


 

 


(株)メディビック 橋本氏

 

 

 

 

 

 


(株)マクロミル 杉本氏

「ハイテクベンチャーの株式上場」 大和総研 岡村氏

日本の株式市場を考察すると、株式価格が上がってくると、少し遅れて上場企業数が増える傾向がある。特にこの傾向が現れたのが、99年6月から2000年6月にかけてである。この時期は、ナスダックが日本に上陸した時期とも重なる。ITバブルが崩壊したのにもかかわらず、多数のハイテクベンチャー企業が上場を果たしたことから、大きな転換期だったといえる。

各証券会社の公開引き受け部には、取扱える未上場企業のキャパシティーが存在する。よって、相場がよくなってもアメリカ並みに、年間300社を上場させることは、不可能である。2004年に期待する新興企業調査によると、21社中8社がIT関連企業でトップである。これらのハイテク関連では、世界的に突起した技術を扱っているのは、稀である。むしろ、ビジネスモデルがしっかりしている印象が高いといえる。ファンドマネージャーや証券会社の担当者の意見を収集すると、最近のハイテクベンチャー企業は、技術だけに頼らず、儲けの戦略に目を向けたバランス経営が目立つという見解である。

日本と米国では、大学発ベンチャーの定義が違う。米国では、大学の知財をベースにしている企業のみが、大学発ベンチャーに属する。一方、日本の場合は、大学の知財をベースにしてなくても、大学発ベンチャーと呼ばれている。よって、米国は日本に比べて大学発ベンチャー数が年間3倍ほど誕生しているといわれているが、大学の知財を利用した純粋な大学発ベンチャー数となると5、6倍は違ってくる。(ページトップへ戻る

 

「バイオベンチャーのビジネスモデル」
  
メディビック 橋本氏

医薬品などの典型的なバイオベンチャーの場合、薬品の選定、動物実験、臨床試験を経て商品化まで、平均14年以上かかる。コストについては、薬品の選定に$91M、動物実験に$71M、臨床試験に$394M平均してかかり、商品化まで平均$556M(約670億円)かかると言われている。なかには、1000億円近くかかるケースもある。よって、商品化までの時間とコストを考慮すると、ベンチャー企業にとって大変厳しいものとなっている。

医薬品がいかにリスクの高い事業であるかは、次のデータで分かる。ある企業で商品化までにこぎ付けた商品が1つあった場合、薬物候補化合物約1000種類が検討される。その内約12種類について実際に動物実験をおこない、そのうち約4.8種類が臨床実験の対象となる。臨床試験の結果1.7種類が商品化の検討対象になり、実際に商品として販売されるのは、1種類となる。このようなハイリスクのなか、90%以上のベンチャー企業は、死の谷を越えられないで、そのまま、消滅してしまう。

メディビックは、2000年2月の創業当事より、死の谷を経験しない黒字路線を行くビジネスモデルを実践し、成長し続けている。橋本氏は海外大手医薬品メーカーに勤めた経験から、日系企業に対するコンサルティング事業から始めた。その活動を通し、インフォマティックス(情報処理技術)のニーズを把握して、システムの売込を行った。つまり、コンサルティング事業とインフォマティクス事業を経て、将来医薬品事業に展開するビジョンをもっている。いきなり事業領域を医薬品にしないところが、成長のキーということがいえる。死の谷を克服できるだけの、余力を得た上で、製薬事業に進出する予定である。

日本はベンチャーにとって一番必要なものは、技術と考えている。一方米国は、経営者の資質がより重要と考えている。米国では、ベンチャー企業の成長ステージ毎に適任のCEOやCFOを使用し、飛躍させることが可能である。つまり、バイオのクラスターのような状況になっている。日本は、特許のプールに力を入れているが、もっと、経営者のプール、財務のプロのプールが大学にいてもよい。

日本は決して、ネイチャーなどに取り上げられる研究内容が少ないわけではない。問題は、その研究内容が新規事業として立ち上がることが非常に稀ということである。

株式会社 メディビック 
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マクロミル 杉本氏 講演サマリー

ネットリサーチを手がけようと思ったきっかけは、リクルートに在籍していた94年当時衛星放送のビジネスの立ち上げに携わった時に訪れた。視聴者がどんなチャンネルを見ているのか等の調査を行った際、非常に時間とコストがかかり、ネット上で調査が出来れば、企業のニーズを満たすことが可能と感じたのである。

創業時の2000年3月はちょうどネットバブルが崩壊したときと重なり、システム構築にかかる費用が調達できなく、いきなり暗礁に乗り上げた。しかし、同じく元リクルートの経営するシステム会社のサポートもあり、何とか簡素化したシステムを構築し、モニター会員数3万人から始めた。

システムの改善作業を4ヶ月間ほど行い、その後は広告代理店を中心に調査を必要としている企業へピンポイントで営業活動を行っていた。景気は低迷していたが、逆にコストと時間に圧倒的な優位性があるサービスだったため、時代の波にうまく乗ることが出来た。ちなみに、マクロミルのサービスは、10問100サンプルは、5万円からであり、サービスも24時間以内に届けるというものである。

マーケティングリサーチ協会も2010年には、もっともネット調査が主流になると予想している。マクロミルは、売上、経常利益ともそれぞれ、前期の2倍以上の約20億円と6億円弱を予想している。(6月決算)

マクロミルの経営理念に「顧客が心から満足し、感動するサービスをめざす。」というものがある。サービスが多様化した現代において、顧客は通常のサービスでは満足しなくなってきた。そのようななか、マクロミルは、「感動を与える」という高いハードルを設定している。ベンチャーにとって、高いハードルを設定し、挑戦し続けることが、永続的な成長に不可欠と考えている。

株式会社マクロミル 
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