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2004年4月20日(火)

【墨田区における第2創業】

講師:(株)浜野製作所 代表取締役社長 浜野 慶一
早稲田大学大学院アジア太平洋研究科 教授 大江 建

コーディネーター:               
早稲田大学大学院アジア太平洋研究科 教授 大江 建

浜野製作所 浜野氏 講演サマリー

早稲田大学と墨田区の包括的提携により、早稲田大学のMBAとMOTの生徒が企業のコンサルティング業務を請け負う、非常に珍しい取り組みをおこなった。対象となった浜野製作所は、下町の雰囲気が色濃く残る、墨田区の八広地区に位置し、従業員28名の試作品を中心に扱う、金属加工メーカーである。そこに、去年の秋、大江教授が担当する「アントレプレヌールシップ」の学生が3ヶ月間に渡り、コンサルティング活動にあたった。

浜野製作所は平成12年に旧工場を隣接する建物からの延焼で、全焼してしまった不幸な経緯がある。現社長の浜野 慶一氏は、起死回生を狙い最新型の試作用機器を取り揃え再出発を試みたが、現状はぎりぎり黒字という厳しいものであった。そこで、「藁をも掴む気持ち」で今回のコンサルティング提携に名乗りを上げた。

生徒は、経営、財務、人事、ホームページ担当からなるコンサルティングチームを立ち上げ、休日返上で、コンサルティング活動にあてた。結果は、利益が10%〜12%程出るまでになり、大成功を収めたといってよい。

コンサルティングは、オペレーションの効率化を中心に行った。例えば、金型のセットアップ時間の短縮化、材料発注業務の簡素化、納品効率の改善が含まれる。その効果は、残業、休日出勤の削減に現れ、人件費の縮小に結びついた。

成功した秘訣はいくつかある。第一に、浜野製作所側も受け入れ態勢に際し、全面協力したことが上げられる。現場の人間と強調体制を築くことは容易ではないが、浜野製作所の場合、コンサルティング内容に刺激を受け、従業員のモチベーション向上につながったとのことである。第二に、コンサルティングチームが、事前に報告書などの成果物に偏らない方針を明らかにしていたことである。成果物中心になると、受け入れ側にとって、実行不可能であるということは、よくある話である。第三に、事前に生徒の間でイクジット計画が明確になっていたことである。月次決算の実施、オペレーションの改善、中長期計画の立案、ホームページ作成を実施することを目標とした。

最後に社長の浜野 慶一氏の言葉が印象深い「今までは、日々の仕事をこなすのが精一杯の状況だったが、やっと夢を語れるようになってきた。売上は、現在の倍の10億まで伸ばすことを目標としたい。また、働くのが楽しくてしょうがない職場つくりに全力を挙げたい。」

 

早稲田大学 大江教授 講演サマリー

日本は米国と比較し、工業時代から情報時代に以降するのに遅れをとってしまった。米国は、1973年にダニエルベルが「脱工業化時代」を出版している。また、1980年にバイドール法が施行され、TLO、インキュベーションセンターが活発に活動を開始した。ちょうどそのころから、米国は情報インフラの整備が進みだした。一方日本は、20年遅れて2000年に日本版TLOが施行されたに。情報インフラが整備され始めると、誰もが平等に多量の情報を得ることができる。よって、起業家精神の発し方も工業化時代と情報化時代では違う。昔は一人の情報発信者の下に複数のフォロワーが付き、起業が起きた。一方、情報化時代には、誰もが平等に情報を得ることができるので、誰もが企業化精神を発揮できる時代でもある。

起業家支援の面から行くと米国は、1980年のバブソン会議を機に様々な大学でベンチャー講座を取入れることとなった。日本は、1992年に早稲田アントレプレナー研究会が立ち上がり、1997年に日本ベンチャー学会が立ち上がった。

2010年以降は、多くのベンチャー企業が立ち上がると期待している。それは、1980年生まれの人間がちょうど起業する適齢期である30歳に差し掛かるからである。1980年生まれの人間は、1990年頃から新聞を読み始める。その頃の日本は、バブル崩壊のあおりをうけ、新聞にも多くのリストラ記事が掲載された時代である。当然それを目の当りにした若者は、大企業思考ではなく、ベンチャー思考だという考えである。そのような思考の若者をどのように支援してゆくかが今後の課題となるであろう。

不確実性が増した今日、どの情報が正しいのかを知るのは困難である。よって、仮設のマネージメントが必要となる。これは、分からないことをベースとして、戦略を練る考えである。その考えを基に現在進めているのが、実験経営学である。学生に対しても、頭の中で考え過ぎず、実践するようアドバイスしている。

 


 


(株)浜野製作所 浜野氏

 

 

 

 


大江教授